大学生活で新しいことに挑戦したいと考えている方にとって、馬術部は非常に魅力的な選択肢の一つです。「馬に乗る」という非日常的な体験は、他のスポーツでは味わえない感動と成長をもたらしてくれます。しかし、多くの人にとって馬術は馴染みが薄く、「初心者でも大丈夫なのか」「費用はいくらかかるのか」といった不安を感じることも少なくありません。
大学の馬術部は、実は部員の多くが大学入学後に競技を始めた初心者です。馬との触れ合いを通じて、責任感や体力を養うことができる環境が整っています。この記事では、大学馬術部の基本的な活動内容から、具体的な費用、そして入部するメリットまでを詳しく解説します。これから馬術の世界に飛び込もうと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
大学馬術部とは?活動の基本を知る
大学馬術部とは、大学が所有する馬、あるいは提携している乗馬クラブの馬を使用して、乗馬技術の向上や競技会への出場を目指す団体です。一般的なスポーツ部活動と大きく異なる点は、「生き物である馬をパートナーにする」という点にあります。単に技術を磨くだけでなく、馬の健康管理や世話も重要な活動の一部となります。
活動の拠点は、大学のキャンパス内にある厩舎(きゅうしゃ)や、近隣の乗馬施設です。部員は交代で馬の世話を行い、馬との信頼関係を築きながら練習に励みます。大学馬術は、日本学生馬術連盟などの組織によって統括されており、全国規模の大会も盛んに開催されています。
初心者でも入部できるのか
結論から言うと、大学馬術部の多くは初心者歓迎です。実際、部員の8割から9割が大学から馬術を始めたという大学も珍しくありません。馬術は筋力だけでなく、バランス感覚や馬とのコミュニケーションが重要であるため、運動経験に関わらず誰でも平等にスタートラインに立つことができます。
入部後は、まず馬の引き方やブラッシング、鞍(くら)の付け方といった基礎的な世話から学びます。その後、インストラクターや先輩の指導のもとで実際に馬に乗り、少しずつ歩かせたり、走らせたりする練習へと進んでいきます。基礎をしっかり固めることで、1年後には障害物を飛び越える競技に出場できるまで上達する学生も多いです。
馬術部での一日の流れと活動内容
馬術部の活動は、練習時間だけではありません。馬が健康に過ごせるよう、朝から晩まで決まったルーティンがあります。ここでは、一般的な大学馬術部の一日の流れを紹介します。
- 朝の作業(朝厩舎): 朝早くに厩舎へ行き、馬に餌を与えます。また、寝床である「ボロ(馬の糞)」を掃除し、新しい藁(わら)やウッドチップを敷き詰めます。
- 騎乗練習: 馬の体調を確認した後、鞍を乗せて練習を開始します。基本的な歩法(並歩、速歩、駆歩)の練習や、競技に向けた障害飛越、馬場馬術のトレーニングを行います。
- 手入れ: 練習が終わった後は、馬の体を洗ったり、脚を冷やしたりしてケアをします。道具の手入れも欠かせません。
- 夕方の作業(夕厩舎): 夕食を与え、馬の健康状態を最終確認して一日の活動が終了します。
このように、馬術部は「馬を中心とした生活」になります。練習時間以外にも馬と過ごす時間が長いため、自然と馬に対する愛情や責任感が深まっていきます。
大学馬術でかかる費用の目安
馬術を始めるにあたって、最も気になるのが費用面でしょう。一般的に「馬術はお金がかかる」というイメージがありますが、大学馬術部は私営の乗馬クラブに通うよりも格段に安く活動できる仕組みになっています。それでも、他の部活動に比べると一定の出費は必要です。
初期費用(道具代)
最初にかかるのが、自分専用の道具代です。以下のものが最低限必要になります。
- ヘルメット: 安全のために必須です。2万円〜5万円程度。
- キュロット(乗馬用ズボン): 摩擦に強い専用のパンツです。1万円〜3万円程度。
- ブーツ: 長靴タイプやショートブーツ+チャップスがあります。2万円〜6万円程度。
- ボディプロテクター: 落馬時の衝撃を和らげます。2万円〜5万円程度。
合計で7万円〜15万円程度が初期費用の目安です。大学によっては先輩からのお下がりを譲り受けたり、部で共有の道具があったりする場合もあります。
月々の部費と維持費
部費は大学によって大きく異なりますが、月額5,000円〜20,000円程度が一般的です。この費用は、馬の餌代、医療費、装蹄(そうてい:蹄鉄の交換)代、施設の維持費などに充てられます。私営クラブでは1回の騎乗で数千円かかることを考えると、毎日乗れる大学馬術部は非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。
大学で馬術を学ぶ3つのメリット
馬術部での経験は、単なるスポーツの枠を超えた価値があります。大学生活において馬術を選ぶことで得られる主なメリットを3つ紹介します。
1. 責任感と精神的な強さが身につく
馬は言葉を話せません。そのため、顔つきや動きから馬の体調や感情を察知する必要があります。また、自分が休むと馬の世話が行き届かなくなるため、強い責任感が求められます。この「命を預かる」という経験は、学生にとって大きな精神的成長を促します。
2. 希少な経験が就職活動での強みになる
馬術を経験している学生は非常に少なく、それだけで面接官の興味を引くことができます。さらに、朝早い活動や厳しい練習、生き物を相手にする忍耐力などは、社会人として必要な資質として高く評価される傾向にあります。
3. 生涯続けられる趣味になる
馬術は年齢を問わず楽しめるスポーツです。大学で基礎を身につけておけば、卒業後も社会人ライダーとして乗馬を続けることができます。全国各地に乗馬施設があるため、一生の趣味として長く楽しむことが可能です。
入部を検討する際のチェックポイント
もし興味を持ったら、まずは各大学の馬術部を見学してみましょう。その際に確認しておくべきポイントをまとめました。
- 活動頻度: 週に何日活動があるか、朝練の有無を確認しましょう。
- 雰囲気: 部員同士の仲や、先輩・後輩の距離感を感じてみてください。
- トータルの費用: 部費以外に遠征費や合宿費がどの程度かかるか聞いておくと安心です。
- 学業との両立: 練習時間が長いため、自分の学部の授業スケジュールと合うか確認が必要です。
まとめ
大学の馬術部は、初心者からでも挑戦でき、馬という素晴らしいパートナーと共に成長できる場所です。初期費用や朝の早さなど大変な面もありますが、それ以上に得られる感動や経験は、一生の宝物になるはずです。もし少しでも「馬に乗ってみたい」という気持ちがあるなら、ぜひ一度厩舎を訪ねてみてください。
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